University of Virginia Library

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[題詞]悲傷死妻歌一首[并短歌] [作主未詳]

[原文]天地之 神者<无>可礼也 愛 吾妻離流 光神 鳴波多D嬬 携手 共将有等 念之尓 情違奴 将言為便 将作為便不知尓 木綿手次 肩尓取<挂> 倭<文>幣乎 手尓取持C 勿 令離等 和礼波雖祷 巻而寐之 妹之手本者 雲尓多奈妣久
[訓読]天地の 神はなかれや 愛しき 我が妻離る 光る神 鳴りはた娘子 携はり とも にあらむと 思ひしに 心違ひぬ 言はむすべ 為むすべ知らに 木綿たすき 肩に取り懸 け 倭文幣を 手に取り持ちて な放けそと 我れは祈れど 枕きて寝し 妹が手本は 雲 にたなびく
[仮名],あめつちの,かみはなかれや,うつくしき,わがつまさかる,ひかるかみ,なりはた をとめ,たづさはり,ともにあらむと,おもひしに,こころたがひぬ,いはむすべ,せむすべ しらに,ゆふたすき,かたにとりかけ,しつぬさを,てにとりもちて,なさけそと,われはい のれど,まきてねし,いもがたもとは,くもにたなびく
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[左注](右二首傳誦遊行女婦蒲生是也)
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[校異]無 → 无 [元][類] / 掛 → 挂 [元][類][文][紀] / 父 → 文 [元][類]
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[KW],天平勝宝3年1月3日,年紀,挽歌,悲別,亡妻挽歌,伝誦,古歌,遊行女婦蒲生,宴席 ,高岡,富山