University of Virginia Library

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[題詞]為幸行芳野離宮之時儲作歌一首[并短歌]

[原文]多可美久良 安麻<乃>日嗣等 天下 志良之賣師家類 須賣呂伎乃 可未能美許等 能 可之古久母 波自米多麻比弖 多不刀久母 左太米多麻敝流 美与之努能 許乃於保美 夜尓 安里我欲比 賣之多麻布良之 毛能乃敷能 夜蘇等母能乎毛 於能我於弊流 於能我 名負<弖> 大王乃 麻氣能麻<尓>々々 此河能 多由流許等奈久 此山能 伊夜都藝都藝尓 可久之許曽 都可倍麻都良米 伊夜等保奈我尓
[訓読]高御座 天の日継と 天の下 知らしめしける 天皇の 神の命の 畏くも 始めた まひて 貴くも 定めたまへる み吉野の この大宮に あり通ひ 見したまふらし ものの ふの 八十伴の男も おのが負へる おのが名負ひて 大君の 任けのまにまに この川の 絶ゆることなく この山の いや継ぎ継ぎに かくしこそ 仕へまつらめ いや遠長に
[仮名],たかみくら,あまのひつぎと,あめのした,しらしめしける,すめろきの,かみのみ ことの,かしこくも,はじめたまひて,たふとくも,さだめたまへる,みよしのの,このおほ みやに,ありがよひ,めしたまふらし,もののふの,やそとものをも,おのがおへる,おのが なおひて,おほきみの,まけのまにまに,このかはの,たゆることなく,このやまの,いやつ ぎつぎに,かくしこそ,つかへまつらめ,いやとほながに
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[左注]
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[校異]歌 [西] 謌 / 能 → 乃 [元][類] / 々々 → 弖 [万葉集略解] / 久 → 尓 [万葉考]
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[KW],天平感宝1年,作者:大伴家持,年紀,地名,吉野,奈良,高岡,富山,儲作,宮廷讃美,大 君讃美,寿歌