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[題詞]遊覧布勢水海賦一首[并短歌] [此海者有射水郡舊江村也]
[原文]物能乃敷能 夜蘇等母乃乎能 於毛布度知 許己呂也良武等 宇麻奈米C 宇知久
知夫利乃 之良奈美能 安里蘇尓与須流 之夫多尓能 佐吉多母登保理 麻都太要能 奈我
波麻須義C 宇奈比河波 伎欲吉勢其等尓 宇加波多知 可由吉加久遊岐 見都礼騰母 曽
許母安加尓等 布勢能宇弥尓 布祢宇氣須恵C 於伎敝許藝 邊尓己伎見礼婆 奈藝左尓
波 安遅牟良佐和伎 之麻<未>尓波 許奴礼波奈左吉 許己婆久毛 見乃佐夜氣吉加 多麻
久之氣 布多我弥夜麻尓 波布都多能 由伎波和可礼受 安里我欲比 伊夜登之能波尓 於
母布度知 可久思安蘇婆牟 異麻母見流其等
[訓読]もののふの 八十伴の男の 思ふどち 心遣らむと 馬並めて うちくちぶりの 白
波の 荒礒に寄する 渋谿の 崎た廻り 松田江の 長浜過ぎて 宇奈比川 清き瀬ごとに
鵜川立ち か行きかく行き 見つれども そこも飽かにと 布施の海に 舟浮け据ゑて 沖
辺漕ぎ 辺に漕ぎ見れば 渚には あぢ群騒き 島廻には 木末花咲き ここばくも 見のさ
やけきか 玉櫛笥 二上山に 延ふ蔦の 行きは別れず あり通ひ いや年のはに 思ふどち
かくし遊ばむ 今も見るごと
[仮名],もののふの,やそとものをの,おもふどち,こころやらむと,うまなめて,うちくち
ぶりの,しらなみの,ありそによする,しぶたにの,さきたもとほり,まつだえの,ながはま
すぎて,うなひがは,きよきせごとに,うかはたち,かゆきかくゆき,みつれども,そこもあ
かにと,ふせのうみに,ふねうけすゑて,おきへこぎ,へにこぎみれば,なぎさには,あぢむ
らさわき,しまみには,こぬれはなさき,ここばくも,みのさやけきか,たまくしげ,ふたが
みやまに,はふつたの,ゆきはわかれず,ありがよひ,いやとしのはに,おもふどち,かくし
あそばむ,いまもみるごと
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