莊子が記せし髑髏は太平樂をぬかせば韓湘が歎ぜしこ髏は 端唄に歌は れけるそれは可笑きに、小町のしやれかうべは眼の療治を公家樣に頼み天狗の骸骨は 鼻で奇人の鑑定に逢ひたる是も洒落たり、我一夜の伽にせし髑髏はをかしからず洒落 ず、無理にをかしく洒落させて不幸者を相手に獨り茶番、とにもかくにも枯骨に向つ て劒ぱを撫する嘲りはまぬかれさるべし。