University of Virginia Library

召波居士七周の追善に招魂のこゝろを申侍る

いざ雪車にのりの旅人とく來ませ

旅立や貌見世の火も見ゆるより

節季候や貌つゝましき小風呂敷

柊さすはてしや外の濱びさし

寶ぶね慶子が筆のすさびかな

煤掃や調度すくなき人は誰

麥蒔の影法師長き夕日かな

藥喰廬生を起す小聲哉

朱にめづる根來折敷や納豆汁

いざ一杯まだきににゆる玉子酒

からさけや鳶もささめぬ市の中

乾鮭の骨にひゞくや後夜のかね

からさけの片荷や小野の炭俵

から鮭や判官殿の上リ太刀