University of Virginia Library

宋阿の翁このとし比予が狐獨なるを拾ひたすけて、枯乳の慈惠ふかゝりけるも、さるべきすくせにや、今や歸らぬ別れとなりぬる事のかなしびのやるかたなく、胸うちふたがりて云ふべく事もおぼへぬ

我泪古くはあれど泉かな

若禰[uBuson ]のすが/\しさよ夏神樂

木藥の帋流るゝ御祓川

ねり供養まつり貌なる小家哉

味噌汁を喰ぬ娘の夏書哉

たもとして掃ふ夏書の机哉