University of Virginia Library

人/\高尾の山ぶみして一枝の丹楓を贈れり。頃は神無月十日まり、老葉霜に堪へず、やがてはら/\と打ちりたる、ことにあはれふかし

爐に燒てけぶりを握る紅葉哉

初冬や日和になりし京はづれ

居眠て我にかくれん冬ごもり

冬ごもり壁をこゝろの山に倚

冬ごもり燈下に書すとかゝれたり

勝手まで誰が妻子ぞ冬ごもり

冬ごもり佛にうときこゝろ哉