University of Virginia Library

住みける谷に鶯の聲せずなりにければ

ふる巣うとく谷の鶯なりはてば我やかはりてなかむとすらむ
鶯は谷のふるすをいでぬともわがゆくへをばわすれざらなむ
鶯はわれをすもりにたのみてや谷のほかへはいでてゆくらむ
春のほどはわが住む庵の友になりてふる巣ないでそたにの鶯