Skip directly to:
Main content
Main navigation
University of Virginia Library
Search this document
山家和歌集 (Sanka wakashu)
1.
卷上
2.
山家和歌集 卷下
Collapse All
|
Expand All
山家和歌集 (Sanka wakashu)
鹿
しだり咲く萩の古枝にかぜかけてすがひ/\にを鹿なくなり
萩がえの露ためず吹くあきかぜにをじか鳴くなり宮城野の原
よもすがら妻こひかねて鳴く鹿の涙や野べのつゆとなるらむ
さらぬだに秋はもののみ悲しきを涙もよほすさをしかのこゑ
山おろしに鹿のねたぐふ夕暮をもの悲しとはいふにや有るらむ
しかもわぶ空の氣色もしぐるめり悲しかれともなれる秋かな
何となくすまゝほしくぞおもほゆる鹿の音たえぬ秋の山ざと
山家和歌集 (Sanka wakashu)