University of Virginia Library

よもすがら草の庵に柴たきて語りしことはいつかわすれん
秋の夜のさ夜更くるまで柴の戸に語りしことを何時かわすれん
いざさらば我れもこれより歸らまし只白雲のあるに任せて
我が宿をわれのやぶとしあらせればみだれても鳴く蟲の聲かな
瀧つせの音聞くばかり庵しめてよを白雲に世は送りてん
わが庵は山里遠くありぬれば訪ふ人はなし年はくれけり
事たらぬ身とは思はじ柴の戸に月もありけり花もありけり
わが庵はおく山なれば仲々に月もあはれに花ももみぢも
すがのねのねもころ/\に奥山の竹の庵に老いやしぬらん