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良寛歌集 (Kashu) | ||
○
老いらくを誰がはじめけん教へてよいざなひ行きてうらみましも
のを
惜めどもさかりは過ぎぬ待たなくにとめ來るものは老にぞあり
ける
いとはねば何時かさかりは過ぎにけり待たぬに來るは老にぞあり
ける
ちはやふる何の神を祈りなばけだしや老をはらはさんかも
おつつにもゆめにも人のまたなくにとひ來るものは老にぞありけ
る
昔より常世の國はありと聞けど道を知らねば行くよしもなし
老いもせず死にせぬ國はありと聞けどたづねていなん道の知らな
く
しげ山に我れ杣立てん老いらくの來んてふ道に關すゑんため
老の來る道のくま%\しめゆへばいきうしと言ひてけだし歸らん
今よりは野にも山にもまじりなん老のあゆみの行くにまかせて
白雪は降ればかつけぬしかはあれど頭にふれば消えずぞありける
白髮はおほやけものぞかしこしや人の頭もよくといはなくに
よにみつる寶といへど白髮にあに及ばめや千千の一つも
しらかみはよみの尊のつかひかもおほにな思ひそその白髮を
良寛歌集 (Kashu) | ||