University of Virginia Library

露霜の秋の紅葉と時鳥いつの世にかは我れ忘れめや
なきあとのかたみともがな春は花夏ほととぎす秋はもみぢば
ももなかのいささむら竹いささめにいささか殘す水くきのあと
のこしおくこのふるふみは末長く我がなきあとの形見ともがな
良寛に辭世あるかと人問はば南無阿彌陀佛とい ふと答へよ
いくむれか鷺のとまれる宮の森有明の月雲かくれつつ
ことに出でて言へばやすけりくだり腹まこと其の身はいやたへが たし