University of Virginia Library

禪師の君久しく痢病をわづらひたまひて今は頼み少し と聞き驚きまゐらせて、しはすの二十日あまり五日の日鹽ねり坂を凌ぎてまうでしを、 いといたう喜び給ひて此の雪にはいかでとのたまひしかば「さす竹の君を思ふと海士 のつむ鹽ねり坂の雪ふみて來つ」御返し(由之の日記良寛臨終のころ)

心なきものにもあるか白雪は君が來る日に降るべきものか