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良寛歌集 (Kashu) | ||
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人はいつはるとも僞はらじ爭ふとも爭はじ僞爭すてて常に心はの
どかなれ
あはれさは人まつ蟲の音づれにふり出でて鳴く鈴蟲の野べの千草
の露にぬれてん
あしびきの國上の山の冬ごもり岩根もり來る苔水のかすかに世を
すみ渡るなり
我が庵は國上山もと神無月しぐれの雨はひめもすに降りみふらず
み乙宮の森
一つ松人にありせば笠かさましを簑きせましをひとつ松あはれ
おく山の春がねしぬぎふる雪のふるとはすれどつむとはなしに降
る雪の
ぬばだまの夜はすがらに糞まり明かしあからひく晝はかはやに走
りあへなくに
にひむろの新室の新室のほぎ酒に我れ醉ひにけりそのほぎ酒に
ふる里をはる%\へだてここに隅田川みやこ鳥にこととはん君は
ありやなしやと
あづさ弓春の野にでて若菜つめどもさす竹の君しなければたのし
くもなし
あづさ弓春の野にでて若菜つめどもさす竹の君とつまねばこにみ
たなくに(由之の日記)
良寛歌集 (Kashu) | ||