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方丈記 (Hojoki)
方丈記
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方丈記 (Hojoki)
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(N)
それ三界は、たゞ心一つなり。心もし安からずは、牛馬七珍もよ しなく、宮殿樓閣も望なし。 今さびしきすまひ、ひとまの庵、みづからこれを愛す。おのづか ら都に出でゝは、乞食となれることをはづといへども、かへりて こゝに居る時は、他の俗塵に着することをあはれぶ。もし人この いへることをうたがはゞ、魚と鳥との分野を見よ。魚は水に飽か ず、魚にあらざればその心をいかでか知らむ。鳥は林をねがふ、 鳥にあらざればその心をしらず。閑居の氣味もまたかくの如し。 住まずしてたれかさとらむ。』
方丈記 (Hojoki)