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内に貝合せむとせさせ給ひけるに人にかはりて
風たゝでなみををさむる浦々に小貝をむれてひろふなりけり
難波がた汐干にむれて出でたゝむしら洲の崎の小貝ひろひに
風ふけば花さくなみのをるたびにさくら貝よる三島江のうら
波あらふころものうらの袖貝をみぎはに風のたゝみおくかな
波かくるふきあけのはまの箔貝風もておろすいそにひろはむ
汐そむるますをの小貝拾ふとて色の濱とはいふにや有るらむ
波よする竹の泊のすゞめがひうれしき世にもあひにけるかな
波よするしらゝの濱のからす貝拾ひやすくもおもほゆるかな
かひありな君が御袖におほはれて心にあはぬことしなき世は
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