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良寛歌集 (Kashu) | ||
○
くさ%\の綾おり出だす四十八文字聲と韻を經緯にして
いづこへも立ちてを行かん明日よりは烏てふ名を人のつくれば
いざさらば我れもやみなん九のまり十づつ十をももと知りなば
いざなひて行かば行かめど人の見てあやしめ見らばいかにしてま
し
いざさらば我れはかへらん君はここにいやすくいねよ早明日にせ
ん
沖つ藻のかよりかくよりかくしつつ昨日もくらし今日も暮しつ
さしあたる其の事ばかり思へただかへらぬ昔知らぬ行末
つきて見よひふみよいむなここのとを十とおさめて又はじまるを
あしびきの山の椎柴折りたきて君と語らん大和ことの葉
いでことばつきせざりけりあしびきの山のしひしば折りつくすと
も
君やわする道やかくるるこの頃は待てど暮らせど音づれのなき
かりそめのことと思ひそこの言葉ことの葉のみとおもほゆな君
心さへかはらざりせばはふ蔦のたえず向はん千代も八千代も
ゆめの世に且つまどろみてゆめを又かたるも夢もそれがまに/\
つの國の浪華の事はいさ知らず草のいほりに今日も暮らしつ
いつ/\と待ちにし人は來りけり今はあひ見て何か思はん
あらたまの年のうちよりまち/\て今はあひ見て何かおもはん
かりそめのこととな聞きそ唐衣今朝立ちながらいひしことの葉
良寛歌集 (Kashu) | ||