くがみ山なる何がしの大徳のいほりに宿りてさ夜ふけ て「しきみつむ軒ばの峰に月はおちぬ松のとさびしいざまゐらせん」。つとめてまか り出でんとするに、あるじ良寛禪師。 (藤原光枝「越路の紀行」)
とありしすなはちこたへけるうた「わすれめや杉の 板屋にひとよ見し月ひさがたのをちなき影のしづけかりしを」。 時に享保の初の年 葉月云々 (同上)