松風 (Matsukaze "Wind in the Pines") | ||
「は のにて 。いまだをず に。 ちとざして。あらうれしやぎ に。ははやののとかやし。なるをれば。ありげなる の。さまのなきはまじ。あたりのにねばやと 。
ワキ
「さてはは。とて。 ののかや。 しやはにもれぬれども。 はるのしるしとて。らぬ の。のをすさよ。
詞
「して ひば。にのとて れて。あののまではく に。なるのにちり。をかさばやと 。
シテ、ツレ、一聲
「わづかなる。 にるはかなさ よ。
ツレ
「ここもとやの。
二人
「ぬらすかな。
シテサシ
「づくしのに。はしけれども。の。
二人
「きゆるとめ。ののは。にきの。れなるの。よりはもなし。
シテ
「にやのながら。にきの。
二人
「りかねたるのに。むとやんうたかた の。よるべなき。はの ともに。を さぬかな。
下歌地
「かくばかりがたく ゆるのに。ましくもむの。をいざやよ。出 汐をいざや汲まうよ。
上歌
「はづかしき。影はづかしき我姿。をくの。 にれる。いつまでみは つべき。の のならば。 にえも すべきに。は にかく。 のいたづ らに。ちり くかな。朽ち 増り行く袂かな。
シテツレ
「おもしろやれても のま。のにて。
二人
「にさきの。なるの。のや。いづれもに。 かかるのなり けり。あらすごのすがらやな。
シテ
「いざいざをとて。にのの。
ツレ
「をんでにけ。
シテ
「むめとはども。
ツレ
「よしそれとても。
シテ
「。
地
「せてはるをなみ。のこそはちさわげ。のもて。なにとさん。 けくこそさやかなれ。む はなれや。く せよ。さのみなどの。きのみをさん。やののにだに。をむこそあれ。影を汲むこそ心あれ。
ロンギ地
「ぶはきの。やの。
シテ
「がをびしは。がにく。
地
「の。のの。にもでばや。
シテ
「のかすむに。やく。
地
「それは。ここは のに。 の 。
シテ
「のむきぞと。にやもの。
地
「さしくるをみけて。ればこそにあれ。
シテ
「にものりたるや。
地
「うれしやもあり。
シテ
「はつ。
地
「はつつの。のにをせて。しともかなや。
ワキ詞
「ののりて。をらばやと 。になるのへし。
ツレ詞
「にてりぞ。
ワキ
「はのにて。のをし。
ツレ
「くち。にしべし。にし。のりが。のとせ。
シテ詞
「りにしきにて に。はまじきとし。
ツレ
「にしてば。のしく に。はまじきせ。
ワキ
「いやいやしきは しからず。 のにてば。にをかさせてりとねてし。
ツレ
「いや まじ。
シテ
「く。のにればを。よしよしかかる の。のにの。さこそとども。にあたり て。りあれとし。
ツレ
「へり。
ワキ
「あらうれしやさらばずるにて。
シテ詞
「めよりらせたくはつれ ども。りにし く に。さて として。
ワキ
「う。とし。りはつべきならねば。 くをとむべき。の にあらん は。わざともわびてこそむべけれ。わくらはに あらばのに。たれつつわぶとよと。もじしとなり。あの にの のを。 にねてば。の のとかや し に。ながらてこそりつれ。あら や。のを してば。に。はと したるにて ぞ。
シテツレ
「にや にあれば。にぞ や。わくらはに あらばの。りになつかしうて。のの。ふたたびをぬらし 。
ワキ詞
「ののとは。はにきのなり。わくらはの もなつかしいなどとり。かたがたにば。にをのり。
二人
「 かしや さんとすればわくらはに。 もなき の。 にしほじみてこりずまの。 めしかりける かな。 は をかさの み むべき。 は ぎつる に。 あの の の 。 き とはれ らせつる。 の の。 まで りたり。さても が 。 つれづれの び。 に は の 。 を ぶ に。おとど ひ ばれ らせつ つ。 りにふれたる なれやとて。 と されしより。 にも るる の の。
シテ
「て。
二人
「かとりののなり。
シテ
「かくてもぎけば。にり。
ツレ
「なくてをう。りぬときしより。
シテ
「あらしやさるにて も。いつのの を。
地
「もも。のみぬれてよし なやな。にもば ぬ。の りにし。 てび 。
地
「の。ももれつつ。露も思ひも亂れつつ。にの。ののや の。の けもの。えし きなり。
クセ
「を。 づればなつかしや。 の。 はここにの 。にりしが。のとて。を。し きども。 をるに。の。にぶのも。らればこそあぢ きなや。こそ。はあだなれなくは。るるひまもりなん と。よみしもや。こそはけれ。
シテ
「に。ぬぎてる。
地
「かけてぞむじに。あらばこそ。もよしなしと。ててもかれず。ればにちり。わかでより。よりのめれば。せんかたに。 しむぞしき。
シテ
「。えぬのきにも。るるのはありけり。あらうれしやあれにのるが。とぞ やいで。
ツレ
「あさましやに こそ。のにも み にてのを。なほ れぬぞや。あ れはにてこそ はりもさぶらはぬを。
シテ
「うたてののや。あのこそは よ。たとひし はるるとも。と しかばりこん と。ねし のはに。
ツレ
「 ぞや。しはるるとも。たばんとののを。
シテ
「こなたはれずの。ちりこん。
ツレ
「にもかばの。しばしこそぬるるとも。
シテ
「つにらでりこば。
ツレ
「あらもしの。
シテ
「や。
地
「ちれ。(中の舞)
シテ
「いなばののにる。としかばりん。それはいなば の。
地
「 はなつかし ここに。 の の の 。 ち りこば も に。いざ ち りて の。なつかしや。(破の舞)
地
「 に き る も じて。 の はげしき すがら。 の に みゆるなり。 て び 。 して る の の。 の かけて。 くや の おろし。 の も に。 も なく も けて。 と きしも れば。 ばかりや るらん。松風ばかりや殘るらん。
松風 (Matsukaze "Wind in the Pines") | ||