 | 蝉丸 (Semimaru) |  |
「めなき のに。定めなき 世の中々に。きや みなるらん。
ワキ
「はの。のます。 にやもいりけるかな。のいみじくて。 とはりども。 のよりなどや らん。ましまして。にのりなく。にうして。のもむなし。かしらさせ に。なるやらん。にしり。にてきし。をおろしれとの。 でてらね ば。しさは りなけれども。なればなく。
下歌
「を。のよそにらして。
上歌
「の。 ものを。空も名殘の都路を。てめてい つか。らんも の。よるべなきの。さなきだにのは。ののを て。のたどりく。のもちのぼる。に きにけり。逢坂山に着きにけり。
蝉丸詞
「に 。
ワキ詞
「に 。
蝉丸
「さてを ばにてくべきか。
ワキ
「さんにて に。まではし てども。くに てきすべきやらん。さるにてもは。より。をめ をれむなるに。かやうのはとし たるやらん。かかるひもよらぬはじ。
蝉丸詞
「あらの が やな。よりのとるる。のきなり。さればも。 にてさせ 。なきにはたれど も。にての をし。のをけんとの。こそののよ。あらくまじのやな。
ワキ詞
「に て に。をおろしり。
蝉丸詞
「は とたるぞ。
ワキ
「は とめでたきにてらせ 。
蝉丸
「にや を り。だんにす と。のせいしが しけるも。にてりけるぞや。
ワキ
「にては。のれもるべければ。をつてとものをらせげ。
蝉丸
「は によるの とよみきつる。 と か。
ワキ
「 のめなれば。 じくをらする。
蝉丸
「は とせとよ みきつる。と 。
ワキ詞
「 はしるべ。 にたせべし。
蝉丸
「に にもくからに。のをもえなんと。がよみしか。
ワキ
「それはのく 。
蝉丸
「ここはもの。
ワキ
「の ざしのの の。
蝉丸
「と もみつる。
ワキ
「に は。
蝉丸
「てられ て。
地
「かかるきに の。るもらぬも よや。の の。りくてぞしき。の 。りりの。をしをりての。 りてきかな。振り捨 て難き名殘かな。さりとては。いつをりにの。きぬをさえつつ。るさにりぬれ ば。はに り。に のとては。 をきて をち。しびてぞき。臥し轉びて ぞ泣き給ふ。
シテサシ
「は の。 とはなり。 とはるれど も。いつのの やらん。より よりして。のとつて。のはさまに つて。づれどもらず。にあれなるどもはをぞ。のさまなるが をかしいとや。ににさまなるはをかしいよな。さてはよりも。がにてをこそさまなれ。し し。は の なり。れの はにもつてのにり。のはにかかつての にむ。 をばれか となりと ん。は なれども にり。は より つてをく。のつなり。や。のをもはるに。
地
「にも かれず。
シテ
「にも けられず。
地
「かなぐりつるみての。
シテ
「の かやあさましや。
地
「の をちでて。花の都を立ち出でて。きにく かや。を ちり。にもきしか ば。はをか や。の としに。 になるや の。しの や。きりぎりすの。くやのの。もむなよ。なれど は。と るべし。
シテ
「 の。のに えて。
地
「や くらんの。 のもづくか。ものれば。ながらあさましや。はおどろをき。もれみて。にのうつる。をとの。なのや。
蝉丸
「のは としての。 をつてつ。の は。が べもつの。 なりける かな。あらのすがらやな。のはとにもかくにもりぬべし。ももてしければ。
シテ
「 やななるの よりも。けた かきのゆ。 そものか にも。かかる べのりけるよと。につけてなどやらん。になつかしきして。ののもせで。ひそ かにちよりき たり。
蝉丸
「そや のに するは。をり をりとぶらはれつる。のにてましますか。
シテ詞
「づき をよくよくけ ば。ののなりけり。こ そりたれ。は にましますか。
蝉丸
「 とはかと。き のをくれば。
シテ
屬気 ましき
蝉丸
「に に 。
シテ
「の か。
蝉丸
「か と。
地
「に をの。 もをくの。せき。にやしをるらん。
地クリ
「れ はより ばしとへり。ま してやのりと して。のを めて。も なるどかや。
シテサシ
「くは 。くはの。
地
「の のと。 にの 。れのとかや。
シテ
「さりながらここはのりとも。
地
「はざ りしにのの。 なくはかくぞとも。いかでべのつのに。
シテ
「かれ てここによるべのの。
地
「から ざりしりかな。
クセ
「は にぶとても。 はにちぬ。とこそしに。なれ ば。をでて かくばかり。にだにらで。のをも て。の。のとなって。の。れみをむばかりな り。さるにてもまでは。の。をきての。きかへては 。かかるの とて。の にの。もとばそもまば らなる。の にの。くとても。ぞ の。のなるべ し。
蝉丸
「たまたまふとては。
地
「を ふの。をすの。にたぐへてのを。きらしきらし。をもくの。だにもせぬ。ののひまびま に。はり ながら。にる のねば。 にもくをだに。かぬのを。やられてし や。
ロンギ、シテ
「まで なりやいつまでも。はにすまじ。して。
蝉丸
「の のりとて。それ だにるにまして に。のれ。とまるをやりへ。
シテ
「に はしやながら。 くはむもあり。るをさこそ との。さやす らひてきた り。
蝉丸
「くや の。かれはの。
シテ
「 のかでく。
蝉丸
「と めよの。
シテ
「の ぎけば。
蝉丸
「 くなるままに。
シテ
「の に。
蝉丸
「たたずみて。
地
「にさ らばよ。には せと。に のする。きりかへりおきて。くくします。 泣く泣く別れおはします。
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