University of Virginia Library

第七十八段

今樣の事どもの珍しきをいひ廣めもてなすこそ、又うけられね。世にことふりたるま で知らぬ人は心にくし。いまさらの人などのある時、こゝもとにいひつけたる

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ことぐさ
、物の名など、心得たるどち、片はし言ひ交し、目見 あはせ、笑ひなどして、心知らぬ人に、心えずおもはする事、世なれず、よからぬ人 の、必ずある事なり。

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