University of Virginia Library

第二十八段

諒闇の年ばかりあはれなる事はあらじ。

倚廬の御所のさまなど、板敷をさげ、あしの御簾をかけて、布のもかうあら/\しく、 御調度どもおろそかに、皆人のさうぞく、太刀、平緒まで異樣なるぞゆゝしき。