University of Virginia Library

軒のかけ菜も一とせの謀

籠城の汁も薪も木の葉かな

撥音に散るは壽永の木の葉哉

鶯の逢ふて戻るや冬の梅

寒梅や熊野の温泉の長がもと

寒梅やうめの花とは見つれども

冬木立家居ゆかしき麓哉

里ふりて江の鳥白し冬木立

乾鮭ものぼる景色や冬木立