University of Virginia Library

或女の應擧に猿の畫をかゝせて讚望けるに、立圃が口質に倣ふとて

初もみぢお染といはゞたつた山

川かげの一株づゝに紅葉哉

紅葉して寺あるさまの梢かな

紅葉見や用意かしこき傘二本

このもよりかのも色よき紅葉哉

白菊の一もと寒し清見寺

白菊や庭に餘りて畠まで

西の京に宿もとめけり菊の時

二本づゝ菊まいらする佛達

けふ匂ふ觀世の辻子や菊の花

修理寮の雨にくれゆく木槿哉

桐の葉はおち盡すなるを木芙蓉