University of Virginia Library

妙義山

立去事一里眉毛に秋の峰寒し

白露や茨の刺にひとつづゝ

狩倉の露におもたきうつぼ哉

市人の物うちかたる露の中

身にしむや横川のきぬをすます時

身にしむや亡妻の櫛を閨に踏

朝露やまだ霜しらぬ髪の落