University of Virginia Library

おなじ(五首)

子を思ひ思ふ心のままならばその子に何の罪をおふせん
子を思ひすべなき時はおのが身をつみてこらせど猶やまずけり
新たまの年はふれども面影のなほ目の前に見ゆる心か
今よりは思ふまじとは思へども思ひ出してはかこちぬるかな
思ふまじ思ふまじとは思へども思ひ出しては袖しぼるなり