白髮
かけまくもあやにたふとく
言はまくもかしこきかもな
ひさがたのあまのみことの
みかしらに白かみ生ふる
あしたには臣を召さしめ
白がねの毛ぬきを持ちて
その髮を拔かし給ひて
白銀のはこに秘めおき
あまつたふ日嗣のみこに
傳ふれば日つぎの皇子も
つがの木のいやつぎ/\に
斯くしつつい傳へますと
聞くがともしも
白髮はおほやけものぞかしこしや人の頭もよくといはなくに
白かみはよみの尊の使かもおほになもひそ其の白かみを
おほに思ふ心を今ゆうちすててをろがみませす月に日にけに
世にみつる寶といへど白かみにあに及ばめや千々のひとつも