万葉集 (Manyoshu) | ||
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[題詞]吉備津釆女死時柿本朝臣人麻呂作歌一首[并短歌]
[原文]秋山 下部留妹 奈用竹乃 騰遠依子等者 何方尓 念居可 栲紲之 長命乎 露己曽
婆 朝尓置而 夕者 消等言 霧己曽婆 夕立而 明者 失等言 梓弓 音聞吾母 髣髴見之
事悔敷乎 布栲乃 手枕纒而 劔刀 身二副寐價牟 若草 其嬬子者 不怜弥可 念而寐良武
悔弥可 念戀良武 時不在 過去子等我 朝露乃如也 夕霧乃如也
[訓読]秋山の したへる妹 なよ竹の とをよる子らは いかさまに 思ひ居れか 栲縄の
長き命を 露こそば 朝に置きて 夕は 消ゆといへ 霧こそば 夕に立ちて 朝は 失す
といへ 梓弓 音聞く我れも おほに見し こと悔しきを 敷栲の 手枕まきて 剣太刀 身
に添へ寝けむ 若草の その嬬の子は 寂しみか 思ひて寝らむ 悔しみか 思ひ恋ふらむ
時ならず 過ぎにし子らが 朝露のごと 夕霧のごと
[仮名],あきやまの,したへるいも,なよたけの,とをよるこらは,いかさまに,おもひをれ
か,たくなはの,ながきいのちを,つゆこそば,あしたにおきて,ゆふへは,きゆといへ,きり
こそば,ゆふへにたちて,あしたは,うすといへ,あづさゆみ,おときくわれも,おほにみし
,ことくやしきを,しきたへの,たまくらまきて,つるぎたち,みにそへねけむ,わかくさの
,そのつまのこは,さぶしみか,おもひてぬらむ,くやしみか,おもひこふらむ,ときならず
,すぎにしこらが,あさつゆのごと,ゆふぎりのごと
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