群書類従卷第三百八
検校保己一集
物語部二
大和物語 上
群書類従卷第三百八 (Yamato monogatari) | ||
【百二十六】
つくしに有けるひかきのこといひけるはいとらうありおかしくてよをへけるものになんありける年月かくてありわたりけるをすみともかさはきにあひて家もやけほろひものゝくもみなとられはてゝいといみしうなりにけりかゝりともしらて墅大弐うてのつかひにくたり給てそれか家のありしわたりをたつねてひかきのこといひけん人にいかてあはんいつくにかすむらんとのたまへはこのわたりになんすみはへりしなとともなる人もいひけりあはれかゝるさはきにいかに成にけんたつねてしかなとのたまひけるほとにかしらしろきをうなの水くめるなんまへよりあやしきやうなるいへに入けるある人ありてこれなんひかきのこといひけりいみしうあはれかり給てよはすれとはちてこてかくなんいへりける
むは玉の我黒髪はしら川のみつわくむまて成にける哉
とよみたりけれはあはれかりてきたりけるあこめひとかさねぬきてなんやりける
群書類従卷第三百八
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大和物語 上
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