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1Author:  Izumi ShikibuAdd
 Title:  Izumi Shikibu nikki [Sanjonishike-bon manuscript]  
 Published:  2000 
 Subjects:  Japanese Text Initiative 
 Description: ゆめよりもはかなき世のなかをなげきわびつゝあかしくらすほどに、四月十よひ にもなりぬれば、木のしたくらがりもてゆく。ついひぢのうへの草あをやかなるも、 人はことにめもとゞめぬを、あはれとながむるほどに、ちかきすいがいのもとに人の けはひすれば、たれならんとおもふほどに、〔さしいでたるをみれば〕、故宮にさぶ らひしことねりわらはなりけり。あはれにものゝおぼゆるほどにきたれば、「などか ひさしくみえざりつる。とをざかるむかしのなごりにもおもふを」などいはすれば、「そのことゝさぶらはでは、なれ/\しきさまにやとつゝましう候うちに、日ごろは山でらにまかりありきてなん。いとたよりなくつれ%\に思たまふらるれば、御かはりにもみたてまつらんとてなんそちの宮にまいりてさぶらふ」とかたる。「いとよきことにこそあなれ。そのみやはいとあてに、けゝしうおはしますなるは、むかしのやうには、えしもあらじ」などいへば、「しかおはしませど、いとけぢかくおはしまして、『つねにまいるや』とゝはせおはしまして、『まいり侍』と申候つれば、『これもてまいりて、′いかゞみ給′とてたてまつらせよ』とのたまはせつる」とて、たちばなの花をとりいでたれば、「むかしの人の」といはれて、「さらばまいりなん。 いかゞきこえさすべき」といへば、ことばにてきこえさせんもかたはらいたくて、な にかはあだ/\しくもまだきこえ給はぬを、はかなきことをもと思て、
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