Bookbag (0)
Search:
2003 in date [X]
Path::Japanese::uvaGenText::tei::AkuMizu.xml in subject [X]
Modify Search | New Search
Results:  1 ItemBrowse by Facet | Title | Author
Sorted by:  
Page: 1
Date
collapse2003
collapse01
01 (1)
1Author:  Akutagawa, RyunosukeAdd
 Title:  Mizu no mikka  
 Published:  2003 
 Subjects:  Japanese Text Initiative 
 Description:  講堂で、 罹災民 ( りさいみん ) 慰問会の開かれる日の午後。一年の丙組(当日はここを、僕ら――卒業生と在校生との事務所にした)の教室をはいると、もう上原君と岩佐君とが、 部屋 ( へや ) のまん中へ机をすえて、何かせっせと書いていた。うつむいた上原君の顔が、窓からさす日の光で赤く見える。入口に近い机の上では、七条君や下村君やその他僕が名を知らない卒業生諸君が、寄附の 浴衣 ( ゆかた ) やら手ぬぐいやら 晒布 ( さらし ) やら浅草紙やらを、罹災民に分配する準備に忙しい。 紺飛白 ( こんがすり ) が二人でせっせと晒布をたたんでは手ぬぐいの大きさに 截 ( き ) っている。それを、茶の小倉の 袴 ( はかま ) が、せっせと折目をつけては、行儀よく積み上げている。向こうのすみでは、原君や小野君が机の上に塩せんべいの袋をひろげてせっせと数を勘定している。
 Similar Items:  Find