| 81 | Author: | Miyamoto, Yuriko | Add | | Title: | Ikitsutsu aru jiishiki | | | Published: | 2003 | | | Subjects: | Japanese Text Initiative | | | Description: | ロジェ・マルタン・デュガールの長篇小説「チボー家の人々」は太平洋戦争がはじまる前に、その第七巻までが訳された。山内義雄氏の翻訳で、どっさりの人に愛読されていたものであったが、ドイツのナチズムとイタリーのファシズムの真似一点ばりだった当時の日本の政府は、敵性の文学であるという理由で、それから益々興味ふかくなる第八巻からあとの出版をさせなかった。 | | Similar Items: | Find |
88 | Author: | Miyamoto, Yuriko | Add | | Title: | Iwao no hana: Miyamoto Kenji no bungei hyoron ni tsuite | | | Published: | 2003 | | | Subjects: | Japanese Text Initiative | | | Description: | 宮本顕治には、これまで四冊の文芸評論集がある。『レーニン主義文学闘争への道』(一九三三年)『文芸評論』(一九三七年)『敗北の文学』(一九四六年)『人民の文学』(一九四七年)。治安維持法と戦争との長い年月の間はじめの二冊の文芸評論集は発禁になっていた。著者が十二年間の獄中生活から解放されてから、『敗北の文学』『人民の文学』が出版された。著者が序文でいっているように「敗北の文学」は一九二九年に二十三歳でかかれたものであり、『レーニン主義文学闘争への道』に収められていた。『人民の文学』はそのころから一九三三年著者が検挙されるまでのわずか五年間ほどの間に書いた評論と、十二年とんで、一九四六年以降に書いた三編が入っている。 | | Similar Items: | Find |
90 | Author: | Miyamoto, Yuriko | Add | | Title: | Kago | | | Published: | 2003 | | | Subjects: | Japanese Text Initiative | | | Description: | お幾の信仰は、何時頃から始まったものなのか、またその始まりにどんな動機を持っているのか、誰も知る者はなかった。ただそれと心附いた時には、もう十幾人という昔からの友達の中で、一人として彼女から、あらたかな
天理王命
(
てんりおうのみこと
)
の加護に就て説き聞かされない者はないほどになっていた。 | | Similar Items: | Find |
91 | Author: | Miyamoto, Yuriko | Add | | Title: | Kaihin ichijitsu | | | Published: | 2003 | | | Subjects: | Japanese Text Initiative | | | Description: | 発動機の工合がわるくて、台所へ水が出なくなった。父が、寝室へ入って老人らしい鳥打帽をかぶり、外へ出て行った。暖炉に火が燃え、鳩時計は細長い松ぼっくりのような分銅をきしませつつ時を刻んでいる。露台の
硝子
(
ガラス
)
越しに見える松の並木、その梢の間に閃いている遠い海面の濃い狭い藍色。きのう雪が降ったのが今日は
燦
(
うら
)
らかに晴れているから、幅広い日光と一緒に、潮の香が炉辺まで来そうだ。光りを背に受けて、露台の籐椅子にくつろいだ
装
(
なり
)
で母がいる。彼女は不機嫌であった。いつも来る毎に水がうまく出ないから腹を立てるのであった。 | | Similar Items: | Find |
92 | Author: | Miyamoto, Yuriko | Add | | Title: | Kairyu | | | Published: | 2003 | | | Subjects: | Japanese Text Initiative | | | Description: | やっと客間のドアのあく音がして、瑛子がこっちの部屋へ出て来た。上気した頬の色で、テーブルのところへ突立ったままでいた順二郎と宏子のわきを無言で通り、黙ったまま上座のきまりの席に座った。 | | Similar Items: | Find |
95 | Author: | Miyamoto, Yuriko | Add | | Title: | Kao | | | Published: | 2003 | | | Subjects: | Japanese Text Initiative | | | Description: | ルイザは、天気にも、教父にも、または夫のハンスに対しても、ちっとも苦情を云うべきことのないのは知っていた。 | | Similar Items: | Find |
97 | Author: | Miyamoto, Yuriko | Add | | Title: | Kawakami shi ni kotaeru | | | Published: | 2003 | | | Subjects: | Japanese Text Initiative | | | Description: | 河上氏の私に対する反ばくは一種独特な説諭調でなかなか高びしゃである、が、論点が混乱していて、多くの点が主観的すぎる。河上氏は私が「読者の声を拒絶し、封じ」「一切の批判をさしひかえ」させようとするかのように書いているが、全く事実に反する。この三年間、私は自分の仕事への数多くの批評に対して沈黙を守りすぎてきた。 | | Similar Items: | Find |
99 | Author: | Miyamoto, Yuriko | Add | | Title: | "Kekkon no seitai" | | | Published: | 2003 | | | Subjects: | Japanese Text Initiative | | | Description: | 石川達三氏の「結婚の生態」という小説について、これまで文学作品として正面からとりあげた書評は見当らなかった。それにもかかわらず、この本は大変広汎に読まれている本の一つである。大変ひろく読まれながら、その読後の感想というものが読者の側からはっきりと反映して来ないまま、読者は作家と馴れあって一種の流行の空気を作者のためにかもし出す作用を行っている作品である。 | | Similar Items: | Find |
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