| 1 | Author: | Abutsu-ni | Add | | Title: | Izayoi Nikki | | | Published: | 2001 | | | Subjects: | Japanese Text Initiative | | | Description: | むかし、かべのなかより、もとめいでたりけむふみの名をば、いまの世の人の子は、夢ばかりも、身のうへの事とはしらざりけりな。みづくきのをかの葛原かへす%\もかきおくあとたしかなれども、かひなきものは、おやのいさめなりけり。また賢王の人をすて給はぬまつりごとにももれ、忠臣の世を思ふなさけにもすてらるるものは、かずならぬ身ひとつなりけりと思ひしりなば又さてしもあらで、なほこのうれへこそやるかたなくかなしけれ。 | | Similar Items: | Find |
3 | Author: | Anonymous | Add | | Title: | Taketori monogatari | | | Published: | 2001 | | | Subjects: | Japanese Text Initiative | | | Description: | 今は昔、竹取の翁といふものありけり。野山にまじりて、竹を取りつゝ、萬づの事に使ひけり。名をば讃岐造麿となむいひける。その竹の中に、本光る竹一筋ありけり。怪しがりて寄りて見るに、筒の中光りたり。それを見れば、三寸ばかりなる人、いと美しうて居たり。翁いふやう、「われ朝夕毎に見る竹の中に、おはするにて知りぬ。子になり給ふべき人なめり」とて、手に打入れて家に持ちて來ぬ。妻の嫗に預けて養はす。美しきこと限りなし。いと幼ければ籠に入れて養ふ。 | | Similar Items: | Find |
4 | Author: | Anonymous | Add | | Title: | Tokan kiko | | | Published: | 2001 | | | Subjects: | Japanese Text Initiative | | | Description: | 齡は百とせのなかばに近づきて、鬢の霜やうやく冷しといへども、なすことなくして、徒らに明かし暮らすのみにあらず、さしていづこに住みはつべしとも思ひ定めぬ有樣なれば、かの白樂天の、身は浮雲に似たり、首は霜に似たり、と書き給へる、あはれに思ひ合せらる。もとより金張七葉の榮えを好まず、ただ陶潜五柳の住みかを求む。しかはあれども、みやまの奧の柴の庵までも、しばらく思ひやすらふ程なれば、なまじひに都のほとりに住まひつつ、人なみに世にふる道になんつらなれり。これ即ち、身は朝市にありて心は隱遁にあるいはれなり。 | | Similar Items: | Find |
9 | Author: | Izumi, Kyoka | Add | | Title: | Ryutandan | | | Published: | 2001 | | | Subjects: | Japanese Text Initiative | | | Description: | 日は
午
(
ご
)
なり。あらら
木
(
ぎ
)
のたらたら坂に
樹
(
き
)
の蔭もなし。寺の
門
(
もん
)
、植木屋の庭、花屋の店など、坂下を
挟
(
さしはさ
)
みて町の入口にはあたれど、のぼるに従ひて、ただ
畑
(
はた
)
ばかりとなれり。番小屋めきたるもの小だかき
処
(
ところ
)
に見ゆ。谷には
菜
(
な
)
の
花
(
はな
)
残りたり。
路
(
みち
)
の右左、
躑躅
(
つつじ
)
の花の
紅
(
くれない
)
なるが、見渡す
方
(
かた
)
、見返る
方
(
かた
)
、いまを
盛
(
さかり
)
なりき。ありくにつれて
汗
(
あせ
)
少しいでぬ。 | | Similar Items: | Find |
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