| 423 | Author: | Miyamoto, Yuriko | Requires cookie* | | Title: | Iwao no hana: Miyamoto Kenji no bungei hyoron ni tsuite | | | Published: | 2003 | | | Subjects: | Japanese Text Initiative | | | Description: | 宮本顕治には、これまで四冊の文芸評論集がある。『レーニン主義文学闘争への道』(一九三三年)『文芸評論』(一九三七年)『敗北の文学』(一九四六年)『人民の文学』(一九四七年)。治安維持法と戦争との長い年月の間はじめの二冊の文芸評論集は発禁になっていた。著者が十二年間の獄中生活から解放されてから、『敗北の文学』『人民の文学』が出版された。著者が序文でいっているように「敗北の文学」は一九二九年に二十三歳でかかれたものであり、『レーニン主義文学闘争への道』に収められていた。『人民の文学』はそのころから一九三三年著者が検挙されるまでのわずか五年間ほどの間に書いた評論と、十二年とんで、一九四六年以降に書いた三編が入っている。 | | Similar Items: | Find |
425 | Author: | Miyamoto, Yuriko | Requires cookie* | | Title: | Kago | | | Published: | 2003 | | | Subjects: | Japanese Text Initiative | | | Description: | お幾の信仰は、何時頃から始まったものなのか、またその始まりにどんな動機を持っているのか、誰も知る者はなかった。ただそれと心附いた時には、もう十幾人という昔からの友達の中で、一人として彼女から、あらたかな
天理王命
(
てんりおうのみこと
)
の加護に就て説き聞かされない者はないほどになっていた。 | | Similar Items: | Find |
426 | Author: | Miyamoto, Yuriko | Requires cookie* | | Title: | Kaihin ichijitsu | | | Published: | 2003 | | | Subjects: | Japanese Text Initiative | | | Description: | 発動機の工合がわるくて、台所へ水が出なくなった。父が、寝室へ入って老人らしい鳥打帽をかぶり、外へ出て行った。暖炉に火が燃え、鳩時計は細長い松ぼっくりのような分銅をきしませつつ時を刻んでいる。露台の
硝子
(
ガラス
)
越しに見える松の並木、その梢の間に閃いている遠い海面の濃い狭い藍色。きのう雪が降ったのが今日は
燦
(
うら
)
らかに晴れているから、幅広い日光と一緒に、潮の香が炉辺まで来そうだ。光りを背に受けて、露台の籐椅子にくつろいだ
装
(
なり
)
で母がいる。彼女は不機嫌であった。いつも来る毎に水がうまく出ないから腹を立てるのであった。 | | Similar Items: | Find |
434 | Author: | Miyamoto, Yuriko | Requires cookie* | | Title: | "Kekkon no seitai" | | | Published: | 2003 | | | Subjects: | Japanese Text Initiative | | | Description: | 石川達三氏の「結婚の生態」という小説について、これまで文学作品として正面からとりあげた書評は見当らなかった。それにもかかわらず、この本は大変広汎に読まれている本の一つである。大変ひろく読まれながら、その読後の感想というものが読者の側からはっきりと反映して来ないまま、読者は作家と馴れあって一種の流行の空気を作者のためにかもし出す作用を行っている作品である。 | | Similar Items: | Find |
438 | Author: | Miyamoto, Yuriko | Requires cookie* | | Title: | Akarui koba | | | Published: | 2003 | | | Subjects: | Japanese Text Initiative | | | Description: | ソヴェト同盟の南にロストフという都会がある。ドン川という大きい河に沿って、花の沢山咲いた綺麗な街が、新しい労働者住宅やクラブの間にとおっている。私は七月のある朝、ドイツからソヴェト同盟へやって来たドイツの労働者見学団といっしょにホテルを出て、ドン国営煙草工場見学に出かけた。ロストフはウクライナ共和国の主都で、附近にはソヴェト第一の大国営農場「ギガント」があった。丁度素晴らしい「トラクター」や「コンバイン」をつかって麦の収穫を終ったばかりのところである。ドイツからの労働者見学団の若い男女たちは、その収穫の壮大な仕事ぶりを見てきたばかりなので、片言のロシア語やあやしげな英語で(私にドイツ語がわからないから)さかんにその見事な様子について私に話してきかせる。私がロストフへきていたのもその「ギガント」を見るためなのである。 | | Similar Items: | Find |
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